ホワイトニングのメカニズム【中編】
目次
プロローグ.ホワイトニング前回までのお話し
1.マスキング(覆い隠す)効果で歯をホワイトニングする
2.ホワイトニングによるホワイトニングのメカニズム
3.光の波長を抑えることでホワイトニングするという考え
4.光とホワイトニングの関係
5.ホワイトニングのメカニズム【中編】のまとめ
ホワイトニンブログ7章のプロローグ
前回のブログでは、ホワイトニングの効果の解説として、「ホワイトニングの2つの作用」「歯の表面の付着物の分解」「エナメル質を加工し象牙質の黄ばみを隠す」ことについてお話しさせていただきました。今回のブログではその続き、ホワイトニングの効果の一つであるマスキング(隠す)作用についてお話ししたいと思います。
1.マスキング(覆い隠す)効果で歯をホワイトニングする
皆さんはご自身の歯の表面が、どのような状態になっているのかご存知でしょうか?「白い」「黄色い」もしくは「少しくすんだ乳白色」という方もいらっしゃるかもしれません。安心してください、自然歯である以上、歯が純白に見えることはまずありません。よく歯の表面をご覧いただきたいのですが、ガラスでコートされたように半透明な物質で覆われているのがお分かりでしょうか?この歯の表面を覆う半透明な物質をエナメル質と呼びます。半透明だけにエナメル質の奥にある象牙質の色が少し透けて見えているわけです。つまり、この象牙質の色こそ「黄色く」見える原因なんですね。ということは、この象牙質を白い物質で覆い隠せば、歯は白く見えるということにつながるはずです。
2.ホワイトニングによるホワイトニングのメカニズム
1の項でもお話ししたように、ホワイトニングで象牙質を透けて見えなくするには、どのようにすれば良いのでしょうか?少し実験めいたお話をしましょう。机の上に少し黄色味がかった紙を置いてその上に透明のガラスを置きます。するとガラス越しに下の紙の色は見えます。ではこのガラスを擦りガラスに交換してみたらどうしょうか?やはり下の黄色い紙はぼんやりとですが見えると思います。
3.光の波長を抑えることでホワイトニングするという考え
物の見える仕組みは色の波長と深く関係しています。光の中には様々な波長が混ざっていています。その中で、たとえば「黄色」の波長だけを反射して、他の色の波長を全部吸収してしまう物質は黄色く見えるわけですね。ではすべての光を吸収してしまう物質はどんな色にみえるのでしょうか?答えは「黒色」です。
4.光とホワイトニングの関係
ホワイトニングでは、歯を白くすることが求められるわけですから「黒く見える」のは逆効果。では白くするにはどうのようにすれば良いのか?答えはすべての波長を跳ね返してしまうことです。光のすべての波長を反射すれば、その物質は「白く」見えます。先ほど摺りガラスの例えを出しましたね。透明なガラスと異なり摺りガラスは曇りが生じているため、下に敷いてある黄色い紙まで外光の届く量が減ったので、色はぼんやりとしか見えないわけです。
5.ホワイトニングのメカニズム【中編】のまとめ
今回は透明なガラスと摺りガラスの出してその下層にある象牙質がどのようにして見えるのか?というお話しをさせていただきました。この原理は、歯のホワイトニングでも使われています。すなわち、エナメル質の層で光の乱反射を起こさせるようにする。これこそが、「マスキング効果による歯のホワイトニング」なのです。
あとがき
次回のホワイトニングブログでは、エナメル質に対するマスキング効果をより詳しくご説明しようと思います。